「般若心経を唱えてはいけないと聞いたけれどダメなの?唱えるとやばい効果があるって聞いたけど本当?」
仏教の経典である般若心経を唱えると、特に信仰心が強い人でなくても不思議と心を落ち着けてくれますね。
しかし世間では「般若心経は気軽に唱えてはいけない」と言われることがあり、気にしている人もいるでしょう。
- 般若心経を唱えてはいけないと言われる理由は?
- 般若心経は本当に唱えてはいけないの?
- 唱えるとやばい効果があるって本当なの?
など、般若心経を唱えたい人や心の拠り所にしている人はいろいろと知りたいことがありますよね。
そこで、今回は般若心経を気軽に唱えてはいけないと言われるその理由について詳しく調べてみました。
「唱えるとやばい効果がある」ことについてもお話しするので、ぜひ参考にしてみてください。
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般若心経を唱えてはいけない?唱えるとやばいと言われる理由は?
般若心経を唱えてはいけないといわれている噂ですが、結論から申し上げますとそのようなことはありません。
次の3つが、般若心経について最初に知っておきたいポイントです。
- 般若心経は誰でも日常的に唱えてOK!
- 般若心経は「おなじない」や「呪い」ではない
- ただし、般若心経を唱えない宗派もある
もちろん、般若心経は怖いものでもなければ、呪いの言葉でもないことは間違いありません。
それぞれ詳しく見ていきましょう!
般若心経は誰でも日常的に唱えてOK!
まず般若心経についてですが、このお経は誰でも日常的に唱えて良いお経です。
実は般若心経は正式な名称ではなく、「般若波羅蜜多心経(はんにゃはらみったしんぎょう)」の略になります。
特徴としては、仏教の経典の中では般若心経は一番短いものである点です。
しかし、仏教の基本的なお釈迦様の教えを一番身近に感じることができる大切なお経でもあります。
家に仏壇があり手を合わせてきた人たちは、幼い頃から何となく般若心経を見聞きして育ってきた人も多いでしょう。
お盆の時期になるとお坊さんがお経を読みに来るというのは、日本の夏の風物詩ですよね。
中には、お盆などの行事で檀家がお寺に集まった際に、お坊さんの読む般若心経を聞いている人もいるでしょう。
般若心経が身近だった人にとって、困ったことがあったとき、怖い目にあったときに、お経が口から出るのはとても自然なことです。
自分だけの力で解決が困難なときは、仏様にすがりたいと思うのは何もおかしなことではありません。
お経を唱えることで精神が落ち着き、冷静さを取り戻すことができれば新たな解決策も浮かんできますね。
中には「般若心経を唱えてはいけない」と知人などに言われて困った人もいると思います。
しかし般若心経を口にすることを禁じるという教えは仏教の中には一切存在しません。
もちろん安心して唱えて大丈夫です。
般若心経は「おなじない」や「呪い」ではない
般若心経は誰もが日常的に唱えて良いお経ですが、「おまじない」とは少し意味が異なります。
また決して「呪い」などでもありません。
般若心経は簡単に説明すると、仏様とのご縁を深めるための言葉です。
そのため、個人の願い事をするために唱えてもそれを叶える効果は無いとされています。
また誰かを貶めたい、復讐したい、仕返ししたいというマイナスな気持ちで唱えるものでもないのです。
当然ですが、他人を呪う効果もありません。
しかしなぜか般若心経を「おまじない」や「呪い」の効果があると間違えて信じている人が多いようです。
そして効果がまったく無いために「唱えてはいけない(唱えても意味がない)」といいだしたのでしょう。
そのため「般若心経を唱えてはいけない」といった噂が出てきたのだろうと考えられています。
したがって「おまじない」や「呪い」ではなく、心の平穏や仏様とのご縁を深めるために唱えることは全く問題はありません。
当然のことながら悪いことも起こりませんので、毎日でも唱えて大丈夫です。
ただし、般若心経を唱えない宗派もある
ただし仏教にはたくさんの宗派がありますが、その宗派によっては般若心経を唱えない場合もあります。
その宗派とは浄土真宗と日蓮宗です。
浄土真宗と日蓮宗では般若心経を唱えてはいけないという教えがあり、気軽に口に出すことはできません。
その点は注意したいですね。
例えば結婚相手の家が浄土真宗や日蓮宗だった場合、義理家族の前では般若心経を唱えるのはやめたほうがいいということです。
次の項目で詳しくお話ししていきますが、浄土真宗と日蓮宗は他の宗派とは考え方が大きく異なります。
考え方が違うので、般若心経を唱えると宗派の思想に外れてしまうため唱えないほうがいいと言われているのです。
般若心経ってそもそも何?唱える宗派と唱えない宗派があるのはなぜ?
そもそも、いったい般若心経はどんな内容が書かれているのでしょうか。
さらに「唱えていい宗派」「唱えてはいけない宗派」に分かれている理由も合わせて、次の項目をお話ししていきます。
- 般若心経とは262文字の中にお釈迦様の教えが詰まったお経
- 般若心経は大乗仏教で大切にされている
- 般若心経を唱える宗派とは?
- 般若心経を唱えない宗派は日蓮宗系と浄土真宗系
それぞれ詳しく見ていきましょう!
般若心経とは262文字の中にお釈迦様の教えが詰まったお経
まず般若心経は仏教のお経の中では最も短く、基本的なものは文字数にするとわずか262文字しかありません。
般若心経は書物によって260文字、262文字、276文字などがありますが、いずれにしても短いことに変わりはありませんね。
実は、般若心経とは、この非常に短い文字数の中に、お釈迦様のすべての教えが詰まっているすごいお経なのです。
現代風のものと比較するなら、たとえば文字数制限があることで有名なツイッターは、140文字の制限になっています。
そこから考えると、般若心経はその2倍にも満たない文字数ということになります。
あまりお経に詳しくない人でも、般若心経がいかに短いか何となくお分かりいただけるのではないでしょうか。
実は般若心経は短い言葉の中で、次のような教えを説いています。
- この世のあらゆるものには実態がない、空の状態である。
- 人間の肉体や感情もそれは変わらない
- 人間の感情や考えも、空の肉体から出てくるものなので本来は何もないはずだ
- さまざまな悩みや苦しみはそのことを知らないために起こるもの
- 悩みや苦しみから解き放たれるには、空の状態であることを知らなければならない
- すなわちその空の状態を知ることこそが悟りを開くことに繋がる
- 真言を唱えることで悟りの境地へと導いてくれる
それぞれがとても深い言葉なのですぐに読んで理解するのは難しいですね。
しかし、ひとつひとつじっくり読んでいくとなんとなくでも伝わってくると思います。
お釈迦様の教えでは人間の無力さと、同時に大きな可能性を示してくれる言葉にも聞こえてくるのではないでしょうか。
教えがわかると、般若心経を唱えるときの気持ちも変わってきます。
般若心経は大乗仏教で大切にされている
とても短い般若心経ですが、そのお経は大乗仏教で非常に重要なお経として大切にされています。
大乗仏教とは主に出家などによって自分で悟りを開いていく「自力仏教」の考え方を伝えるものです。
そして、般若心経はその教えを軸としているお経です。
この教えでは、どんな人でも仏様を信仰すれば救われるとしています。
そして、般若心経を唱えることでより仏様との縁を深くすることができると考えられているのです。
大乗仏教の思想を信仰する場合は、般若心経は唱えてはいけないお経ではないことがわかります。
むしろ、毎日でも心を込めて唱えたほうが良いお経だと言えるでしょう。
般若心経を唱える宗派とは?
仏教において般若心経を唱える宗派は天台宗、真言宗、臨済宗、曹洞宗、浄土宗です。
これらの宗派は般若心経によって自力仏教で悟りを開くことを教えとしています。
少しだけ深いお話しになりますが、各宗派によって般若心経を唱える意味やタイミングは少しずつ異なります。
それぞれの宗派によるタイミングは次の通りです。
- 天台宗 勤行儀の修行でお経を読む(善行に繋がる修行)
- 真言宗 伝統性を重んじる信者の修行でお経を読む(葬儀などでも読まれる)
- 臨済宗 勤行儀の修行でお経を読む(葬儀などでも読まれる)
- 曹洞宗 勤行儀の修行でお経を読む
- 浄土宗 祈願するときや食作法時にお経を読む
般若心経を唱えない宗派は日蓮宗系と浄土真宗系
般若心経を唱えない宗派は、日蓮宗系と浄土真宗系になります。
日蓮宗系と浄土真宗系は自力仏教ではなく「仏様などの力を借りて悟りを開く他力仏教」の考えを教えとしているためです。
そのため般若心経ではなく、それぞれの教えを説くために別のお経を唱えます。
- 浄土真宗(本願寺派) 般若心経ではなく「浄土三部経」を唱える
- 浄土真宗(大谷派) 般若心経ではなく「南無阿弥陀仏」を唱える
- 日蓮宗 般若心経ではなく「法華経(南無妙法蓮華経)」を唱える
浄土真宗は「真」の文字が使われているので、真言宗と間違えないようにしましょう。
日蓮宗系と浄土真宗系は他の宗派と考え方が異なる
仏教も宗派によって考え方はいろいろあります。
しかし般若心経を唱える宗派と、唱えない宗派に分かれているのが不思議ですよね。
世界には信仰はたくさんありますが、このように宗派によってお経などに対する考えが大きく異なるのは珍しいことです。
上記でご紹介したように、浄土真宗系と日蓮宗系は他の宗派とは考え方が大きく異なります。
その考え方の違いは、「自力仏教」と「他力仏教」です。
一般的に考えると自力仏教のほうが他力仏教よりも徳が高いようなイメージを持つ人もいるかもしれませんね。
しかし仏教における「自力」と「他力」は仏様の力に関する考え方の違いであり、どちらが偉いということはありません。
自力で悟りを開くために般若心経を唱える宗派も、仏様の力によって悟りを開くため般若心経を唱えない宗派。
もちろんどちらを信仰するかは個人の自由です。
般若心経を唱えるかどうか、自分の信仰する宗派によってどうすべきか考えてみてください。
般若心経を唱える効果と唱え方は?感情を込めず、リズムを大切に!
自分の信仰する宗派が般若心経を唱えても良い宗派の場合は、ぜひ日常のいろんなシーンでお経を唱えてみましょう。
ポイントは次の通りです。
- 般若心経を唱えると気持ちが落ち着きリラックスできる
- お経はリズムを大切にし、感情を込めず棒読みで唱える
- 気持ちが落ち着く写経もおすすめ
ここからは般若心経を唱えることで得られる効果と、基本的な唱え方についてご紹介していきます!
般若心経を唱えると気持ちが落ち着きリラックスできる
般若心経は近代の日本では使わない難しい言葉が並んでいるお経です。
しかしその意味をしっかり理解して唱えることで気持ちが落ち着いてリラックスすることができます。
心の中のさまざまな邪念が浄化し、素直に仏様の教えが胸に沁み込んでいくように感じられるでしょう。
基本的に般若心経を唱えるときは、静かな部屋で目を閉じて座った状態で唱えるとリラックス効果が大きくなると言われています。
一説によると般若心経は瞑想に入るときにも使われることがあるようです。
まずは修行や悟りを開くなどと堅苦しいことは考えず、ゆったりした気分で唱えてみてください。
お経はリズムを大切にし、感情を込めず棒読みで唱える
さらに般若心経はリズムを大切にして、感情を込めずに読むのが良いとされています。
お経のリズムが大切なのは、お坊さんなどがお経を読む姿を思い出すとよく分かりますね。
修行を積んだお坊さんが般若心経を読むと、自然な呼吸と間の取り方でとても気持ち良くお経が耳に入っていきます。
感情を込めずに淡々と読んだほうがいいというのは少し不思議な感じがしますね。
なぜ感情を込めずに読むのが良いのかというと、これにも深い理由があります。
「人間の悩みや感情は本来あるはずのないものだ」というのがお釈迦様の教えに入っています。
よって感情を込めるというのは、本来あるはずのないものにすがっている状態になるため良くないということになるのです。
般若心経を唱えるときはなるべく何も考えず、ただ無心に感情を込めずにお経を読んでみてください。
きっとこれまでに経験したことがないほどの心穏やかな状態に導かれるはずですよ。
気持ちが落ち着く写経もおすすめ
心を鎮めたい方、集中したい方には般若心経の写経もおすすめです。
写経は、本来仏教の修業のひとつですが、最近は一般の人達の間にも広まっています。
般若心経の写経を行うと、心が鎮まる、気持ちが落ち着く、集中できるなどさまざまなメリットがあるのです。
コツは、262文字を一文字一文字心を込めて、じっくり丁寧に書き写すこと。
静かな環境で丁寧に書いているうちにだんだんと瞑想をしているような、不思議な状況になっていくかもしれません。
終わったあとは、気持ちがすっきりしてストレスも減っているはずです。
お寺のサイトなどでお手本をダウンロードできるので、ぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
今回は「般若心経を唱えてはいけない」という噂の真相についてご紹介しました。
般若心経を唱えてはいけないというのはお経が悪いものだという意味ではまったくありませんでしたね。
お伝えしたポイントを簡単にまとめると、次のようになります。
- 般若心経は基本的に誰が唱えても良いお経である
- お経を唱えてはいけない理由は、お経がおまじないや呪いまったく違うものだから
- お経を唱えない宗派もある(浄土真宗と日蓮宗)
- 般若心経はお釈迦様の教えを説くための大切なお経
- 般若心経はリズムを意識しながら感情を込めずに読むのが良い
基本的に般若心経は「浄土真宗」と「日蓮宗」の2つの宗派の人以外は、誰がいつ読んでも良いお経です。
毎日心安らかに過ごしたい人は、ぜひ般若心経の奥深い世界に触れてみてくださいね!